九方旅行記 1日目 はじめての船中泊(3)
九方旅行記 1日目 はじめての船中泊(2) - chunk of log のつづき
就寝
船に用意されている寝間着に着替え、歯を磨き、電気を消し、布団を被り、寝る体制を整えた。
もともと寝つきが悪いのに加え、航行中は微かな揺れが常に存在する。ベッドで仰向けになり目を瞑った状態だとそれがよくわかる。目を瞑っているあいだに一度だけ、いいのかこれ?大丈夫なやつ?と少し不安になるぐらい船が傾いた。特にアナウンスはなかったので、問題ないらしい。布団の中にいたのは5時間ぐらい。眠っていたのは2時間ぐらいだと思う。この程度よくある。
朝
目が覚めると7時前。頭はすっきりしていたので起きることにした。船内レストランの朝食バイキングはスルー。しっかりとした朝飯は、陸についてから食べるつもりだ。最低限のエネルギー補給として、昨日のアンパンの残りを食べる。船内での残りの時間、まずデッキに上がって朝の海を堪能し、そのあとサッと朝風呂に入ってから下船する作戦をたてた。
着替えてデッキにあがる。朝日が出ている、昨晩ほど寒くない。夜と違って海が丸見え。船が通ったあとの海面には、波筋が尾を引いて残る。飛行機雲の海バージョンのようなこの筋、後日しらべたところによると”航跡”と呼ぶらしい。
長居することを決め込み、いちど船内に戻って自販機でホットコーヒーを買ってきた。海の光と音を浴びながら、それを飲む。
街が見えてきたので、スマホで久石譲の「海が見える街」を聴いてみたりする。他にもいろいろ聴いてみるが、大抵なんの曲でも合う。ゲームのサントラを流せば冒険が始まるし、激しい曲は波しぶきをあげ突き進む船とシンクロする。ゆっくり動く遠くの景色をみながら静かな曲もいい。デッキ上に人が増えてきた。子供が走り回っている。朝日に照らされた知らないおじさんの影がけっこう絵になる。
朝風呂をあきらめデッキにとどまっていると、下船準備のアナウンスが流れた。トイレに寄ってから部屋に戻り、荷造りを済ませる。またアナウンスが流れて、到着したようなので、部屋を出る。エントランスで部屋の鍵を返し、ブリッジを渡り船を後にした。ありがとう、フェリーきたきゅうしゅうⅡ号。
陸
初めて九州の地を踏んだ。そして、ひさびさの陸。落第忍者乱太郎というマンガに登場する兵庫水軍のメンバーは、海上での生活がほとんどであるため、陸にあがると陸酔いをする者がいる。今回、海の上に14時間ほどいたが、陸に上がっても陸酔いはしなかった。
今日の予定をどうするかは下船後に決めることにしていた。頭も身体もすっきりしてはいるが、昨日はあまり眠れていない。秋芳洞は万全を期したいので、明日にまわす。今日は小倉を見て回ることにした。港から出ている送迎バスに乗ってJR小倉駅まで移動。駅のロッカーに荷物を預ける。身軽になったので、まずは小倉城を目指す。その前に朝飯を食べたい。
つづく。