九方旅行記 2日目 小倉・前編(城)
九方旅行記 1日目 はじめての船中泊(3) - chunk of log のつづき
朝飯
駅と小倉城の間に、評判のいいうどん屋があった。そこで朝食をとることにする。
資さんうどん 魚町店 http://tabelog.com/fukuoka/A4004/A400401/40003412/
食べたのは、肉&ゴボ天うどん。
甘くておいしい、これは正解。しっかり腹も膨れた。
小倉城へ
腹ごしらえを終え、小倉城へ向かって歩く。途中少し迷ったが、目印の天守閣が見えるところまでくれば、あとは簡単。城やタワーは、わかりやすいので助かる。
小倉城・小倉城庭園・松本清張記念館の3施設セットチケットが売っていた。せっかくなのでそれを買う。
小倉城庭園
綺麗な庭ではあるが、思っていたより狭い。
庭園に併設されている展示室やお土産館もみる。お土産館でボーっと眺めていると、他の観光客の人が話しかけてきて、特産の小倉織について説明をしてくれた。小倉織とは”江戸時代の豊前小倉藩の特産物で、縦縞を特徴とした良質で丈夫な木綿布である”とWikipediaに書かれている。その人は「伊勢志摩で開かれるG7サミットで、各国首相に小倉織のバッグが記念品として贈られるんだよ」と教えてくれた。勉強になったので「勉強になります」と礼をいった。たしかに小倉織の縞は綺麗で、所有欲を刺激する。ちょっと高かったので買わなかったけど。
この庭には他にも、地元民が利用できる研修室がある。その研修室の予定表に「9:30~ 陰陽五行」という記載があり、とても気になる。
小倉城
次は小倉城。
城の中は、展示の場だと割り切られていて、ある程度近代的になっている。展示は色々あったが、このとき体がポカポカして眠かったので、じっくりとは見られなかった。 そのなかでも「迎え虎」にはしばらく魅入ってしまう。撮影OKだったので、写真を撮った。この虎は、どの位置から見ても真正面に見えることから”八方睨みの虎”といわれている。その呼び名に偽りなし。
天守閣まで登る。眺めがよく、アイスを食べながらしばらく居座った。
松本清張記念館
松本清張のことは、ほとんどしらない。”著名なミステリー作家”というイメージしかなかった。なので完全に”ついで”だった。 しかし結果的に、この3施設の中でダントツに良かった。
展示を見るうちに古代史も書いていること、氏のこだわりや生き方について少し知ることができた。
そして衝撃的だったのが「思索と創作の城」といわれる展示物。思索と創作の城とは、松本清張の住んでいた家のことで、実際に使われていた部屋をそのまま切り出して展示している。
http://www.kid.ne.jp/seicho/html/kannai/2f.html
1階に玄関、応接間、予備室、書庫が3室。2階に書斎、資料室、書庫が4室。書くことに特化した「思索と創作の城」。
書斎。みるからに集中できそうな作業机。素人の自分にでもわかる空気の違いがあった。資料を漁り、この机に向い、筆を走らせ、その才能・知恵・経験・思索を最大限そこへ打ちつけ、没頭し、常人では到達不可能な領域を突き進み続けた跡なのだ、きっと。これは、すげぇわ……と唸るしかなかった。
何か目的をもって本を何冊か読み漁っていると、その対象に対し立体感がでる。本を読むという行為が、対象の空間の中を4次元的に探索して廻る感覚になる。「思索と創作の城」は、その書斎や書庫を見ているだけで、その感覚に陥る。ここでは思索・探索の空間、それも宇宙かと思えるほど深く広い空間が毎日毎日展開されていたのだろう。感動したが、もうドッと疲れた。
駅へ戻る。
セットチケットの3施設を回り終わったので、駅へ戻ることにした。門司か下関へいこうか、そう思っていた。あの建物をみるまでは。
つづく。