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九方旅行記 1日目 はじめての船中泊(2)

九方旅行記 1日目 はじめての船中泊(1) - chunk of log のつづき。

夕飯

レストランの入口で1,500円支払うと、まず席取り札が渡される。ひとり席が船内端のカウンターに並んでいたので、そこに札を置いた。席の目前の壁には小窓がついていて、外の様子がうかがえる。ガラスは曇っていて、外も暗いので、海と灯りが、ぼんやり見える程度。隣のおじさんが窓を見ながらビールを飲んでいる。

料理はバイキング形式なので、トレーの皿に目ぼしい料理をのせる。ご飯、味噌汁、お茶ものせる。

20代前半まで、バイキングはいかに量を食べるか、元を取るかの勝負だった。しかし頑張りすぎて「お腹くるしい、しばらく何も口にしたくない」となりやすい。20代後半、私は学んだ、「過ぎたるは、なお及ばざるが如し」。好きなものを適切な量いただけばよい。しかし今日はテンションがあがっているので、学びを活かせるか疑わしい。

トレーいっぱいに並べた皿と椀、これを2回半。それにカレーライス1杯、デザート。食後にコーヒーを飲みながら、またデザートをつまむ。少し食べ過ぎたが、許容範囲。学びは活かされた。

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美味しかったのは、鶏の唐揚げ、サーモンマリネ、黒蜜わらび餅、かりんとう

食べ終わるころ、レストラン内に人はまばらになっていた。遅れてやってきたのか、もりもり白米をかきこむ部活ジャージの二人組。ゆっくりデザートを味わう女性。もうここで横になりたいと思い始めた自分。

部屋に戻りテレビをつけると、ミュージックステーションをやっていた。KAT-TUNを脱退する田口くんが、花束を受け取っている。

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しばらく休んでから、再びデッキに上がった。左右に灯りがみえる。進行方向の右が本州で、左が淡路島。30分ほど眺めて部屋に戻り、ジャケットを脱ぐと、袖に白い粉がついていた。舐めたら塩っぱかったので、おそらく潮。またデッキには上がると思うので、そのままにしておく。

風呂

案内係に確認したが、無料のバスタオルは用意されていないらしい。しかたなく売店で購入する。名門大洋フェリーのバスタオル、1080円。荷物が増えてしまった。

脱衣所で服を脱ぎ、浴場へ。広くはないが、数人であれば十分に足が伸ばせる浴槽。体を洗ってから入る。

船内に風呂がある、それが一体どういうことか。海の上に船を浮かべる。体を水に浸すことなく、海を渡ることができる。その船の中に風呂を用意し、湯を張る。海の水は退けつつ、その上で人は湯に浸る。これは人類が産み出した究極の贅沢である。

そしてこの浴場には小窓がついている。小窓からは、ぼんやりだが海と灯りがみえる。湯に浸かりながら隣に海をみる。これはまずい、まずいですよ。いつ神罰が下ってもおかしくない。

神罰ものの贅沢を味わったあと、自販機でアサヒスーパードライを購入。ロビーの大きなモニターでテレビ見ながら飲んだ。

瀬戸大橋

部屋に戻りしばらく横になるが、眠る気はしない。またデッキに出る。進行方向の右が本州で、左が四国。24時を回り日付が変わった。デッキには自分しかいなかったが、しばらくすると何人か上がってきた。そろそろ船が瀬戸大橋を通過する。

近づくいてくると分かるが、瀬戸大橋は大きい。これを人間が作った。船が通過する瞬間の数秒は真上を見上げ、瀬戸大橋の裏側を目に映す。少しエロいものをみた気分になる。小さくなっていく瀬戸大橋を見届け、また海を眺める。

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自室に戻り、ジャケットの袖についた潮を確認。満足してベッドで横になる。ボーっとしていると、ある曲が脳内で再生された。聴きたくなったのでiTunesで購入することにした。船内ではフリーWi-Fiが提供されているが、使い物にならないくらい遅い。キャリアの電波は全く入らない。デッキなら電波が入ったはずなので、またジャケットを着て部屋を出る。

デッキに上り、iTunesで曲を購入し、それを聴きながら海を眺める。いままでは外を眺める目的で、デッキにあがっていた。今回は曲を購入するため、電波が欲しくてデッキにあがった。電波が欲しくてデッキにあがる。とてもいいなと思う。

部屋に戻ってテレビをつけると探偵ナイトスクープがやっていた。陸から遠いためかテレビの受信が途切れ途切れ、石田探偵がカクカクしている。寝ることにした。

つづく